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23日集会宣言

中止一択!東京五輪 集会宣言
                                                                       (English)

 3月24日、東京オリンピック・パラリンピックの1年延期が決められた。新型コロナウイルス感
染が加速しつつある状況の中で、7月24日にオリンピックの開幕を迎えることなど無理であること
は明らかだった。しかし安倍政権やJOCなどは、ぎりぎりまで「完全な形での開催」にこだわ
った。そのことが新型コロナウイルス感染を拡大させる結果につながったことは間違いない。政
府は必要な検査体制を取ることに一貫して消極的であり、感染者をいたずらに増加させたが、そ
れもオリンピックをなんとか開催するためだったのだ。これこそまさに「オリンピック災害」
だ。

 7月5日に実施された都知事選挙では現職小池百合子が圧勝し、再選された。新都知事小池は
「第一にコロナ対策、そして第二がオリパラ開催」と当選決定後の記者会見で強調したが、大会
開催のために膨大なリソースが浪費され、コロナ対策のためのリソースが奪われることは自明の
理である。並立は無理だ。仮に東京や日本だけコロナが収まっても東京五輪は開催できない。メ
ダル大国のアメリカのコロナ状況は拡大する一方であり、医療体制や公衆衛生に不安を抱える地
域はこれから本格的な感染拡大が懸念されている。

 コロナ状況対策に相反する東京五輪は、延期ではなく中止されなければならない。

 これまでにも3兆円を超える経費がつぎこまれ、延期によって数千億円規模の経費増が見込まれ
るという。東京都・JOC・IOCは変更されたオリンピック開催都市計画を一刻も早く市民に
対して公開し、費用負担について明らかにすべきだ。

 オリンピック中止にかかる損失は、これまでオリンピックの準備を通じて、行政の協力も得た脱
法的な手段も使いつつ、社会的・公共的な資産を山分けにし、莫大な儲けを手にしてきた大手ゼ
ネコンやデベロッパー、情報・宣伝産業、オリンピックによって利益を得る利権団体すべての責
任で補填すべきだ。コロナ状況によって営業停止や活動休止に追い込まれ、困窮している中小企
業や個人事業主、この社会で生きる全ての人びとに対する経済的救済と、コロナ検査体制・医療
体制の圧倒的な拡充に、オリンピック資金のすべてを振り替えよ。無用なカネをこれ以上オリン
ピックにつぎこむな。まさに「オリンピックをやっている場合ではない」。

 開会式の縮小について放映権契約の観点から困難であるという見解をIOCは明らかにした。縮
小開催の模索が行われたとしても、最優先されるのがスポンサーの利益では、民意が東京五輪開
催から離れていくのも当然だ。中止すべきだという意見がいくつかのメディアによる世論調査に
おいて多数であることからも自明なように、東京五輪中止は多くの市民からも賛意を得られてい
るのだ。

 3月28日、私たちは郡山市で「聖火リレーと五輪災害」トークリレー集会を開催した。3月26日
にJビレッジから始まる聖火リレーは中止となったが、復興とはほど遠い福島の状況を、あたか
も復興したかのように演出する「復興五輪」の欺瞞を、私たちは福島の方々の怒りとの出会いの
なかで、あらためて再認識させられた。そしていま、「復興五輪」は「コロナからの復興」と都
合よく読み替えられ、再び偽装されようとしている。

 私たちは一刻も早く東京五輪の中止決定を求める。しかし、コロナ状況によって東京五輪が中
止になることだけを願っているのではない。様々な「オリンピック災害」をもたらす近代五輪は
「廃止」にすべきであり、今後の北京・パリ・LAと予定されている五輪も「中止」しかない。
コロナ状況で顕在化した五輪の醜悪さを世界に発信して、世界の「反五輪運動」と連帯してオリ
ンピック・パラリンピックを廃止に追い込もう!

 東京五輪は中止だ!中止! オリンピック・パラリンピックは廃止だ!廃止!

 No Olympics Anywhere in the World !

     2020年7月23日
                    中止一択!東京五輪 集会参加者一同

24日、申し入れとデモ

日本オリンピック委員会への申し入れ行動

申し入れの読み上げ (mp3ファイルです)

日本オリンピック委員会(JOC) 
 会長 山下泰裕 様

          東京五輪の即時中止を求める申入書

 3月24日、東京オリンピック・パラリンピックの1年延期が決められた。新型コロナウイルス感
染が加速しつつある状況の中で、7月24日にオリンピックの開幕を迎えることなど無理であること
は明らかだった。しかし安倍政権やJOCなどは、ぎりぎりまで「完全な形での開催」にこだわ
った。そのことが新型コロナウイルス感染を拡大させる結果につながったことは間違いない。政
府は必要な検査体制を取ることに一貫して消極的であり、感染者をいたずらに増加させたが、そ
れもオリンピックをなんとか開催するためだったのだ。これこそまさに「オリンピック災害」
だ。

 7月5日に実施された都知事選挙では現職小池百合子が圧勝し、再選された。新都知事小池は
「第一にコロナ対策、そして第二がオリパラ開催」と当選決定後の記者会見で強調したが、大会
開催のために膨大なリソースが浪費され、コロナ対策のためのリソースが奪われることは自明の
理である。並立は無理だ。仮に東京や日本だけコロナが収まっても東京五輪は開催できない。メ
ダル大国のアメリカのコロナ状況は拡大する一方であり、医療体制や公衆衛生に不安を抱える地
域はこれから本格的な感染拡大が懸念されている。

 コロナ状況対策に相反する東京五輪は、延期ではなく中止されなければならない。

 これまでにも3兆円を超える経費がつぎこまれ、延期によって数千億円規模の経費増が見込まれ
るという。東京都・JOC・IOCは変更されたオリンピック開催都市計画を一刻も早く市民に
対して公開し、費用負担について明らかにすべきだ。

 オリンピック中止にかかる損失は、これまでオリンピックの準備を通じて、行政の協力も得た脱
法的な手段も使いつつ、社会的・公共的な資産を山分けにし、莫大な儲けを手にしてきた大手ゼ
ネコンやデベロッパー、情報・宣伝産業、オリンピックによって利益を得る利権団体すべての責
任で補填すべきだ。コロナ状況によって営業停止や活動休止に追い込まれ、困窮している中小企
業や個人事業主、この社会で生きる全ての人びとに対する経済的救済と、コロナ検査体制・医療
体制の圧倒的な拡充に、オリンピック資金のすべてを振り替えよ。無用なカネをこれ以上オリン
ピックにつぎこむな。まさに「オリンピックをやっている場合ではない」。

 開会式の縮小について放映権契約の観点から困難であるという見解をIOCは明らかにした。縮
小開催の模索が行われたとしても、最優先されるのがスポンサーの利益では、民意が東京五輪開
催から離れていくのも当然だ。中止すべきだという意見がいくつかのメディアによる世論調査に
おいて多数であることからも自明なように、東京五輪中止は多くの市民からも賛意を得られてい
るのだ。

 3月28日、私たちは郡山市で「聖火リレーと五輪災害」トークリレー集会を開催した。3月26日
にJビレッジから始まる聖火リレーは中止となったが、復興とはほど遠い福島の状況を、あたか
も復興したかのように演出する「復興五輪」の欺瞞を、私たちは福島の方々の怒りとの出会いの
なかで、あらためて再認識させられた。そしていま、「復興五輪」は「コロナからの復興」と都
合よく読み替えられ、再び偽装されようとしている。

 私たちは日本オリンピック委員会(JOC)に対して一刻も早く東京五輪の中止を決定すること
を求める。
     
     2020年7月24日
                 中止一択!東京五輪 7・23集会参加者一同

2020/7/23日集会へのビデオメッセージ

パリからのメッセージ
ロサンゼルスからのメッセージ
ピョンチャンからのメッセージ
ジュールズ・ボイコフさんからのメッセージ
「オリンピック終息宣言」展からのメッセージ

(声明)オリンピック・パラリンピックの中止の早期決断で 原発災害、コロナ災害、五輪災害を生き延びよう  

                  2020オリンピック災害おことわり連絡会

  私たちは2020年都知事選の最大争点は、2020東京オリンピック・パラリンピック(以下、オリパラ)の開催の是非であると考え、各都知事選立候補者の立場が明確になるような項目立てのアンケートを連絡先が分かる候補者に送り、別紙のような回答をいただきました。現時点で中止を主張する候補者はおらず、各候補者に対してはオリパラに対する姿勢を問い直してほしいと思います。なお、現職の都知事である候補者は、連絡先を明記せず、質問を出すためのアクセス自体が困難であるという、市民の声を聞く姿勢に欠ける対応を取られており、Facebookにて質問を送りましたが回答はありませんでした。

◎ 原子力災害、五輪災害、そしてコロナ災害 わたしたちは、オリンピックは祝祭ではなく災害だと考えており、コロナ状況いかんにかかわらず、いつ、どこであっても開催すべきではないと考えています。また安倍首相の「アンダーコントロール」発言やJヴィレッジにおける高濃度放射能汚染土の隠ぺいなど、原子力緊急事態宣言下におけるオリパラの強行が、原発災害に苦しむ被災地の住民を五輪災害でさらに苦しめることになると考えています。わたしたちは東京の名においてこれ以上被災地の住民を傷つけたくありません。コロナ緊急事態宣言が解除された5月25日以降、日本全体の感染者数の半数の788人の新規感染者を数える「クラスター」となった東京が、オリパラ中止をこれ以上さきのばしすることで、コロナ災害をふたたび全国に拡散させるリスクが高まっているのです。原発も五輪もコロナもすべて、前東京都政がもたらした人災です。人災は人間の力で封じ込めなければなりません。

◎ 東京五輪の早期の中止決定を! 東京や日本だけでコロナが収まってもオリンピックは開催できません。世界五大陸すべての地域からの参加がオリパラの原則です。しかしメダル大国アメリカのコロナ状況は拡大する一方です。南半球やアフリカなど、医療体制や公衆衛生に不安を抱える地域はこれから本格的な感染拡大が懸念されているのです。とりわけ2016年のリオ大会の開催国ブラジルでは、感染者数が100万人を突破し、死者も5万人を超えています。当時のブラジル労働者党政権は、財政難のなかオリパラ開催を強行したことでさらに民衆の反感を買い、オリンピック閉幕10日後にルセフ大統領は罷免、「ブラジルのトランプ」と呼ばれる現在のボルソナロ大統領誕生に道を開いたといわれています。ボルソナロ大統領は「人はどうせ死ぬんだから」と公言してコロナ対策を取ろうとしていません。まさに五輪災害がコロナ災害を導いたといえます。

◎ 新都知事には一刻も早い中止決定とそれに伴う都民の税負担の回避を! 都民の皆さんにはこの観点から7月5日の都知事選挙への投票を検討されるよう強く訴えます!

                          2020年6月30日

中止一択! 東京五輪 7.23集会&24デモ

◎7.23集会 13:15 開場/13:30 開始

発言:

武田砂鉄 さん(ライター)    

「今、ニッポンにはこの夢の力が必要ではない」    

志葉 玲 さん(ジャーナリスト)    

「東京オリンピックで悪化、難民の迫害」

コメント:谷口源太郎さん(スポーツジャーナリスト)、江沢正雄さん(長野五輪反対運動) ビデオメッセージ:  ジュールズ・ボイコフさん(ジャーナリスト、元五輪選手。著者『オリンピック秘史』など)  ロサンゼルス、韓国、パリ、札幌 等、各地でオリンピック反対運動に取り組んでいる仲間より。  *コメント、メッセージは予定も含みます。

会場:日本キリスト教会館・4F 会議室

https://www.jcws.or.jp/houjin/access.html 資料代:500 円

◎7 月24 日(金・休)デモ  時間:17:30 集合/18:00 デモ出発 集合場所:日本オリンピックミュージアム(JOC)前

https://japan-olympicmuseum.jp/jp/access/

(地下鉄銀座線外苑前駅5分・国立競技場駅10 分・JR 千駄ヶ谷駅12 分)

*当日17:00 から集合場所にあるJOC に東京五輪中止の申し入れを行います。

*デモコースは、集合場所→新国立競技場→明治通り→表参道→原宿駅→五輪橋(解散)を予定。

[主催] 「オリンピック災害」おことわり連絡会

http://www.2020okotowa.link/  

千代田区神田淡路町1-21-7 静和ビル1A スペース御茶ノ水(ATTAC 首都圏気付)  TEL:080-5052-0270

大いなる危機としてのオリンピック

以下の文章は、6月24日のスタンディング行動に寄せられたメッセージです。タイトルは編集部がつけました。

阿部潔 (関西学院大学教員)

みなさん、こんばんは。今夜、「オリンピック災害おことわり連絡会」のスタンディングに、関西から電話で参加させていただく阿部潔と申します。どうか、よろしくお願いします。

今回、こうした貴重な機会を与えていただいたのは、4月末に出版社コモンズから刊行した『東京オリンピックの社会学──危機と祝祭の2020JAPAN』に関心をもっていただけたからかと思います。運動の現場、東京のストリートで、日々活動しておられる方々からお声がけいただいたことを、心より光栄に感じております。ありがとうございます。
この本では、2013年の招致決定以来、さまざまな「とんでもないこと」が東京オリンピックをめぐり生じてきたのに、結局のところ、ふと気づけば開催イヤー2020年を迎えていた。どうしてこんな「とんでもないこと」がこれまでまかり通ってきたのか。そのことは現代日本社会に見て取れるある種の「症候」、つまり、より根深い政治・社会的な病理の表れではないか。そうした視点から、東京オリンピックを分析しました。サブタイトルの「危機と祝祭」に込めた意味は、オリンピックという世界的なスポーツの祝祭が東京/日本にやってくるはずだったのが、今回のコロナウイルス騒動という危機によって残念なことに延期されてしまったということでは全然なく、むしろ逆に、多くの人が素朴に期待を込めて楽しみにしていた東京オリンピックというものの正体は、実は大いなる危機そのものにほかならない。そんな問いかけをしたくて、この本を書きました。

では、どうして東京オリンピックは危機なのか? 実はそれは、これまで私たち自身が目にしてきたことを思い起こせば、自ずと明らかです。新国立競技場問題、エンブレム盗作疑惑、招致活動での贈賄捜査、マラソン・競歩会場の札幌への突然の変更、などなど・・・・。そしてオリンピックイヤーを迎えた今年はじめ、コロナウイルス感染が各国に広がり予定通りの開催を危ぶむ声が世界中から湧き上がったにもかかわらず、最後の最後まで安倍首相、小池東京都知事、森組織員会会長ら東京オリンピック推進者たちは、7月に予定通り東京オリンピックを「完全なかたちで開催」することに頑なに固執しつづけました。ところが、3月になると態度を一変。結局、IOCバッハ会長と共謀のうえ、「新型コロナウイルスに打ち勝った証として」の東京大会を「一年延期」して開催することが決められた、という顛末です。

少し冷静に振り返れば、東京オリンピックをめぐる一連の出来事は、本当にもう「どうかしている」としか形容のしようがない。それぼどまでにおかしなことの連続でした。そして、多くの国民/都民は、それを知らないのではなくて、むしろ案外よく知っている。それなのに、いまだ東京大会の即刻中止・返上が世論として盛り上がってこない。ここにこそ、先に指摘したいま現在〈わたしたち〉が生きるこの社会の根深い病の「症候」が見て取れるのではないでしょうか。
拙書のなかでも分析しましたが、ここには人々のあいだに広く分かち持たれた独特の心性=メタリティが見て取れます。それを一言で言えば、どこかしらシニカルな態度と同居する「希望があることへの希望」ではないでしょうか。
多くの方に納得いただけるかと思いますが、2020年の東京オリンピック開催が決定してから、前回64年東京大会の成功物語が、メデイアなどで繰り返し取り上げられてきました。高度成長真っ只中の昭和39年に開催された東京大会が「輝かしい過去の栄光」として、きわてめノスタルジックに思い返される理由の一つは、今を生きる私たちの目には、当時の日本社会が希望に溢れていたように映るからです。つまり、敗戦から20年あまりしか経過していなかったにもかかわらず、日本経済は飛躍的な復興と発展を遂げ、当時の社会で来るべき未来はまさに輝いていた。そうした懐かしい「過去の日本」に想いを馳せつつ、他方で、今では失われてしまった「輝かしい日本」をもう一度をなんとか取り戻したい。別の言葉でいえば、21世紀を迎えて以降、「失われた20年」と言われてきた停滞の時代から、なんとかして抜け出して、かってのような「輝ける未来」に向けた希望を、もう一度実感したい。そうした「希望があること」に対する人々の切なる想い、つまり「希望への希望」とでも言うべきセンチメントとメンタリティが、さまざまな問題やスキャンダルにまみれていることを知っていながらも、それでもなおどこかしら東京オリンピックに期待を抱こうとする〈わたしたち〉の姿に見て取れるのではないか。そんな分析を本では試みました。

ですが、本書を描く終えて私自身がたどり着いた結論と立場を言えば、そうした「希望への希望」は現実世界の厳しさを直視することなく、いたずらに過去の栄光や日々メディアで繰り返される「日本人の凄さ」にすがるかぎりにおいて、現在直面している喫緊の問題を解決することには、なんら結びつかないと思います。むしろ、民族主義的でナショナリスティックなノスタルジーやナルシシズムといつまでも戯れているのではなく、〈わたしたち〉を取り巻く厳しい世界の情勢を冷静に見極めていくことこそが、一見遠回りのように見えても、実は未来に向けた希望を手に入れるうえでより確実な方法ではないでしようか。

その意味で、今回コロナウイルスの影響でオリンピックが「延期」となったことはひとつのチャンスだと思います。つまり、新型ウイルスという未曾有の危機に直面することで、人々が楽しみにしていたオリンピックという祝祭が、実は別なる危機であることが垣間見えた。そうだとすれば、これからの〈わたしたち〉がなすべきことは、いつまでもそうした金と権力にまみれた偽りの祝祭に期待を寄せるのではなく、今回のコロナ危機の中で懸命に生き延びようとしている人々のあいだに生まれつつある「連帯」に根ざした、その意味で困難の只中をサバイブするなかから生まれる希望にしっかりと根ざしたかたちで、来るべき未来と真の祝祭への想像力を育むことだと思います。これまでネオリベラリズムが喧伝してきたような、自己選択と自己責任だけをいたずらに強調し、他者を蹴落とす生き残りゲームへと駆り立てられるサバイバルではなく、だれもそこから逃れられない危機のもとで、それぞれが互いをリスペクトしつつ、たとえ微力であったとしても相互に支え合うなかで果たされる〈みんなの/みんなでサバイバル〉。そうした新たな希望の予兆を、今夜のスタンディングに集ったみなさん方はきっと、それぞれの仕方で感じておられることと思います。
あらためて言う必要もありませんが、一年後に延期された東京オリンピックはそうした希望の機会には断じてなりえません。なぜならば、これまで私たちが目にしてきたような数々の「どうかしている」有様こそが東京オリンピックの本来の姿であり、そこでは強い者たち/恵まれた立場の人々の恥知らずの自己利害だけが思い求められてきたからです。安倍首相たちがこの期に及んで恥ずかしげもなく口にする「新型コロナウイルスに打ち勝った証として」の東京大会開催というスローガンなどは、なんの根拠にも根ざさない妄言にすぎない。小池都知事が唱える「簡素化した」オリンピックの開催も、根本は同じです。オリンピック・ビジネスへの義理立てをなんとしても果たそうとする魂胆が見え見えの「簡素化」に、意味があるとは到底思えません。前回の都知事選で「オリンピック会場費用の根本的な見直し」を掲げて当選を果たしておきながら、実質的な成果をなんら残していない現職知事が今更どの面下げて「簡素化」などと言えるのか。良識ある多くの都民の方々には、およそ理解しがたいことでしょう。

みなさん、もうこんな出来の悪いホラーのような東京オリンピックという祝祭には、一刻も早く「即刻中止」との引導を渡しましょう。そのことは、もっとも直接に「オリンピック災害」を被る都民のみなさんや、「復興オリンピック」の名の下で更なる苦難を強いられてきた東北地方の被災者の方々だけでなく、この社会に生きるわたしたちひとりひとりの切なる思いであり、また果たすべき責務だと思います。きっと、そのようにして東京オリンピック反対・中止の声を上げていくことを通して、コロナ禍のもとで必死に生き延びようとしている「まつろわぬ者」たちの連帯が力強く生み出されていくに違いありません。

東京から遠く離れたここ関西の地で、非力ながら私はこれからも声を上げ続けていきたく思います。
今日は、拙い話に耳を傾けていただき、本当にありがどうございました。
もう決してオリンピックというホラーがやって来ることのない東京で、みなさんとお会いできる日を楽しみにています。

(フランスから署名要請)これまで以上にオリンピックに反対だ!

パリでオリンピック反対運動を行う仲間、NON aux JO 2024 à Parisがパリ五輪反対署名を開始しました!反五輪の会も賛同団体の1つになっています。

署名はパリの住民に限らず世界中から幅広く募るそうなので、ご署名、拡散、どうぞよろしくお願いします。

署名サイト(フランス語)

https://nonauxjo.org/petition/org/non-aux-jo/plus-que-jamais-non-aux-jo

署名方法。署名の趣旨(下記の日本語訳を参照してください)を確認して、サイト右覧のfirst name、last name、メールアドレスを記入し、今後の情報が欲しい場合は、「Je veux recevoir des informations de la part de l’Association Non aux JO 2024 à Paris:」の脇にあるチェックボックスにチェックを入れ、「SIGNER」をクリックしてください。 すこし待つと、ここで入力したメールアドレスに「Confirm your signature to our petition」というタイトルのメールが屆きます。このメールの本文にあるリンクをクリックします。これで署名が終了します。また、上記のチェックボックスにチェックを入れた場合は、同時に「Invitation to join list nonjoparis2024-info」が屆きます。日本語訳は反五輪の会のサイトから転載しました。

〈日本語訳〉

これまで以上にオリンピックに反対だ!

「かつての世界」の過ちを継続しながら、「これからの世界」に入るふりをすることなどできない。

私たちは2024年パリ五輪を中止しなくてはならない。

インフラ工事の遅れと新たな安全基準は、過去数十年の間に幾多の開催国を荒廃させてきたイベントの費用をさらに膨張させることになる。

当初70億ユーロ(8200億円)と見積もられた予算が守られることはないだろう。

さらに、仮に東京五輪が中止ということになれば、そのパリ五輪への財政的影響は甚大なものとなる。

私たちは健康、教育、住居、公共サービスに投資を行うべきだ。現在の経済・社会危機を鑑みれば、オリンピックなんぞに出費している場合でないことは明らかである。

制御不能なグローバリゼーションの象徴たるオリンピックは、環境そして種々の遺産にとっての脅威である。そして何よりも、少数の人々(スポンサー企業、不動産デベロッパー、ゼネコン…)の利益のための、これ以上続けることのできないとんでもない浪費である。

あらゆる分野からの賛同団体とともに私たちは、政府に五輪の中止を求める。

avec :

オリンピックがあることが「ノーマル」である社会に戻らない日を目指して

4月24日、緊急事態宣言下の東京駅前で 行った月例スタンディングは、 関西大学の井谷聡子さんから電話でアピールを いただきました。

月例のスタンディング、工夫しながら継続しています。 5月24日はいつもより早く午後5時から6時まで、東京駅丸の内口前です。

今月は名古屋から岡崎勝さんと1998年長野冬季五輪に反対された江沢正雄さんからアピール、その他オープンマイクでやります。 以下、井谷さんの発言です。(表題は編集部の判断によるものです)


関西大学の井谷です。声聞こえてますでしょうか?(聞こえてまーす:東京駅)こんにちは。

今日は大変な状況の中、みなさん反対する声をあげ続けるということで、いろいろ怖い部分もあると思うんですけれども、東京のど真ん中で、こうやって黙らされない、黙っていないぞ、という態度を示していただいているのは本当にありがたいと思います。と同時にみなさん、ホントに気をつけて活動なさってください、というのが、まず一つ目に言っておきたいと思ったことでした。

それから、すでにたくさんのいろんなことが言われていたり書かれていて、私が言えるのは何なんだろうと思うと、ホントに限られているんですけど、あらためて、もしかしたらもう繰り返し言われていることかもしれないけど、わたしがいま一番強く感じていることを今日話しておきたいと思いました。

◎学生には借金を、五輪には大金を

まず今週から私がいる関西大学でもオンラインの授業が始まりました。就職活動がすでに始まっていて、足元をすくわれる形になってしまった四年生たちにオンラインで話を聞いてみると、「ホントに大変だ」と。どんどんどんどん就職活動の先も見えないし、残りの授業も不安です。一年生のなかには、これからの4年間の授業費の足しに、あるいは教科書を買うためにやろうと思っていたバイトができないと真剣に心配している学生もいます。調査によっては大学生の13人に1人が、退学を検討しているというデータが出ていて、本当に恐ろしい時だと思いました。

そういう大学の現場にいて、若い人たちの将来に活かせるはずの費用について考えた時、オリンピックにかかる費用というものがどれほど大きいものなのか、と思います。これまでも、日本は病院とか医療に対する費用が削られてきました。これはもう完全にネオリベ政策の被害ですね。そして学生たちに対しては、奨学金といいながら、勉強するためのローンを学生に押し付けてきた国が、オリンピックのために莫大なお金をかけてきたということの弊害が、この一か月くらいで改めてはっきりしてきました。このことは頭のどこかで知ってはいましたが、こうやって目の前で学生たちの未来が崩壊していくかもしれないというときに、本当に改めて問題が大きいと感じています。

もうこの怒りはみなさんと共有していると思いますし、どういう言葉で話せばこの状況をつかみきれるのか、わたしはなかなか言葉をうまく見つけられない人なので、言葉を扱う職業にいる人間としては非常に苦しいところなのですが、人の言葉を借りながら、残りの部分にみなさんと共有したいことがあります。

◎資本主義とウイルスの拡散

アルンダティ・ロイというインドの作家、批評家、活動家の女性がいるんですが、ものすごく美しい文章を書く人で、このコロナの状況についてもいろんなことを発言をされています。以下はロイが指摘していることです。

最初に新型コロナウイルスが発生して、どんどん世界に広がっていった、そのなかで最初に打撃を受けていったのは資本主義社会でした。ウイルスは中国からその周辺の朝鮮半島、日本へ、反対側のヨーロッパにも広がり、アメリカから一周して、いまアフリカのほうが大変な状況になっています。このウイルスが増殖するために有利な条件、つまり人が集まり、早く移動し、物も人も動き続けて、接触も多い、そういう消費社会の中心になるシステム、貪欲な資本主義が生み出したグローバル資本主義社会をまさに有利な条件としてウイルスは拡大していっています。

◎無為無策の戦争屋たち

もちろんウイルスというのは資本主義やそれを構成する人間とは違って、明確な金儲けの目的などなく、ただ増殖することを目的として存在していますので、高度な医療技術とか科学技術とか、監視技術を持つ国でも、あっというまにコロナにやられてしまいました。さらに「コロナとの闘いは戦争だ」と例える政治家もいますが、これもアルンダティ・ロイが指摘していますが、戦争に一番強いアメリカが一番負けている。なぜか。

人間の存在が危機に直面するときは、資本主義のロジックとか武力とか科学技術とかの強者の理屈だけで戦おうとしても戦えない、それでは命は救えないということを、この新型コロナウイルスが改めて示してくれたと思います。だから資本主義のロジックでしか生きてこなかった世界は、その対処に戸惑って動揺しています。さらに命の切り捨てまで行っています。日本の安倍首相とかトランプ大統領の動揺ぶり、無能っぷりが、よくさらけ出されていますし、彼らが資本のロジック以外で動くことができないというのをよく見せてもらったとおもいます。

◎「五輪のある日常」に戻っていいのか

ロイが言っているのは、資本主義のエンジンである経済活動が破壊され、もくもくと煙が上がっているとき、経済界や政治家は必至でそれを治して、おんなじエンジンをふかして世界の破滅へと突き進もうとしている。ロイが問うのは、同じエンジンを修理したいのか、それともこれまでと違うエンジンをみんなで求めていくのかということです。今まさにことなる世界のために戦うとき、そういう分岐の時だと彼女は指摘します。私もそう思います。

まったく同じことがオリンピックにも言えると思います。産業社会、資本主義社会、帝国主義社会のなかで生み出され、その体現として広がり、グローバル化して、ものすごいお金を食いながら、ものすごい人を動かしながら、増殖してきたオリンピックですけども、これまで福祉に使えるはずだったお金、人々の幸せのために使えるはずだったお金を、毎回毎回、何千億円、何兆円という規模で浪費してきたこの「オリンピックがあるいつもの日常」が、本当にそれが戻ってきてほしいのかということなのです。いま私たちが戻ろうとしている「ノーマル」というのは何なのかを問いたいと思います。

そしてオリンピックが来るからいつもの日常や平和な暮らしが破壊されてきた人たちがいることを思い出してほしいと思います。コロナが来た、たいへんだ、生活が破壊された、ノーマルな生活に戻りたい、と言います。いやでも待ってください。オリンピックが来たことで、ノーマルな生活を破壊された人たちがいましたよね。そしてそれに対しておかしいという声をずっと声を挙げてきた人がいましたよね。今だったら、少しでもその声に耳を傾ける人が増えているのではないか、と私は期待したいと思います。

◎アンダーコントロール、再び

そして最後ですけれども、一年後に延期をされて、もうすでに森元首相なんかが、コロナから復活した世界を、コロナの収束をアピールする機会としてオリンピックが使えると言ってますよね。本当に恐ろしいことだと思います。これほどのパンデミックが一年で終わるはずがない。それは専門家でなくても、みんな肌で感じているのではないかと思います。

でもなぜそんなことを言うのか。今までのノーマルを続けたい経済界の人々が、感染の収束が終わらないことを恐れているからです。これはまったく福島のケースと同じだと思います。「アンダーコントロール」と言うことで、日本はノーマルに戻ったと、いつもどおりビジネスができる、さあみなさん来て消費して、お金を落としていってね、そのメッセージをもう一回オリンピックでやろうとしていませんか。

一年後に、さあ日本はもう収束したぞと、検査も十分にしていないのに宣言を出して、さあ世界はもう元に戻った、よし消費しよう、旅をしよう、どんどん二酸化炭素を出そう、これでいけますよという、そういうサイン、go back to normal , business open to the world again 、そういうメッセージに、このオリンピックがされてしまいそう、そしてそれをしようとするでしょう、この国もIOCも。

◎倫理観の欠如した五輪エンジン

でも、でもです。一年延期されたということは、直前に迫ってきたオリンピックと戦うチャンスも増えたということですよね。そしてオリンピックのある「ノーマル」な世界が、いかに人々にとってむごい世界だったのかということも、日本の中を見ているだけでも改めて感じる人が出てきたと感じています。

最近の研究では、今年から来年にかけて、世界だけでなく、医療体制が脆弱なアフリカ大陸で1000万人の感染者を出す可能性があるといわれています。アフリカには人工呼吸器が一台もない国もあります。国によっては人工呼吸器よりも副大統領の数のほうが多いという冗談のようで冗談でないことが言われてしまう。そういうところに今ウイルスが手を伸ばしているときに、一年後に「さあスポーツの祭りをやりましょう」と言う。倫理観の欠如です。そういうことに対して、オリンピックを動かしている人たち、そしてそのエンジンというのがものすごく恐ろしいものなんだということを、改めてみなさんに心に刻んでほしいと思います。

◎オリンピックの廃止へ

オリンピックを延期ではなく中止へ、中止ではなくIOCの解体へ。それに向けて闘う時間がまた一年与えられたと思います。

そこにいるみなさんも、また一年闘うのも大変なんですけどども、闘うチャンスをもらえたと思って、オリンピックがあることが「ノーマル」である社会に戻らない日を目指して私も一緒に頑張っていきたいと思います。

オリンピックにかける費用を日本国内だけでなく、いちばん苦しい人々に送りましょう。そしてオリンピックのない世界を目指していきましょう。

ありがとうございました。

万国の五輪労働者よ、団結せよ!

Covid-19の時代に、世界中の五輪アスリートたちが、五輪ケーキの分け前をもっとよこせ!と声を上げ立ち上がっている。

人生は短い。アスリートのキャリアはさらに短い。これが、大勢のアスリートが不正に直面しても沈黙を守ることを選ぶ理由の説明でもある。が、今、われわれは、多数のアスリートたちが次々と自ら声を上げるのを目にしている。

そんな例がたくさんあり、今オリンピアンたちは集まって、こう言っているのだ。IOCが、そのはち切れんばかりの金庫を開けて、分捕った物を、五輪を五輪たらしめているアスリート労働者たちと分かち合うべき時が来た、と。東京オリンピックを今夏開催するという考えにアスリートたちが公然と疑義を呈し始めた時、すでに彼らの持てる力の一端は見えていた。彼らが声をあげなかったら、まず間違いなく、五輪の延期はあのときには決まらなかった。

IOCが選手に提供している取り分はNBA、NFL、NHL、MLB、イギリスのプレミアリーグといった大きなスポーツリーグに比して極端に少ないという、最近発表されたオリンピック財政についての研究を受けて、アスリートの怒りが爆発した。 NBAなどがリーグ収益の40〜60%を選手に配分しているのに対し、IOCはたった4.1%をしぶしぶ出しているだけなのだ。

この、グローバル・アスリート提言グループとライアソン大学の共同研究の結論は「団体交渉は依然としてアスリートの生計改善のための唯一の有効な方法だ」というものだ。多くの五輪アスリートもそう考えている。2度の金メダルに輝く三段跳びの王者クリスチャン・タイラーはトロント・スター紙のインタビューの中でこう述べている。「アスリートに返ってくる分がどれほど少ないかを目にして腹が立つ。オリンピックはビジネスだ。繁盛しているビジネスだ。それでもって、われわれアスリートはその果実を味わえないというわけだ。これを見てわれわれはみな目を覚まさないと。」

(リオ五輪出場の英自転車選手)カラム・スキナーのツイート 世界の5大プロスポーツリーグは収益の40〜60%を選手に払っている。 オリンピック(年収>14億ドル)がアスリートに使うのは4.1%で、選手が独自スポンサーを得ることには時代遅れの制限を課している。オリンピックの価値を尊重しろ… (多くの選手が金銭的苦境にある中IOCが利益隠しをしているという英テレグラフ紙記事へのリンク

五輪に2回出場した中距離走のエマ・コバーンはこうツイートした。「愉快な事実:オリンピックで競技に出る選手がIOCから受け取る賞金、給料、ボーナスは零ドル(IOCは毎年140億ドルの収益を上げているというのに)。もう一度言う、オリンピック選手がIOCから受け取るのは零ドル。」

研究グループ自身の記録によると、IOCメンバーは事務支援として年7000ドルを受け取れることになっている。IOC役員の日当は900ドルとべらぼうだ。他のIOCメンバーは、ギリシャの元国王コンスタンティノス2世、オランダのウィレム・アレクサンダー国王、サウジアラビアのナワフ・ビン・ファイサル王子といった”名誉メンバー”も、経費として一日あたり450ドルを受け取れる。

一方、多くの五輪アスリートたちは暮らしていくのにやっとだ。この研究には、最近のカナダのアスリートたちは「平均で年15000ドルの支出超過になっているが、収入の4分の1以上は雇用によるもので、スポーツで得たものでない」とある。

米国では、2016年のリオデジャネイロ五輪の前、100人を超えるアスリートが費用を工面するため(クラウドファンディングサイトの)GoFundMeにページを開設した。オリンピックで儲ける者は確かにいるが、たいていそれはアスリート以外の人だ。

近年、五輪アスリートは年に5000ドルくらいを受けとっており、それはIOCの総支出の0.5%にあたる、ということもこの研究で分かった。研究報告は「IOCが超過の収益を還付、奨学金、トレーニングといった形で選手に再分配しただけで、選手の平均年俸は現在のレベルの2倍以上の11000ドルになる」としている。

予想通り、IOCは「オリンピックで得られた総収入の90%を、アスリートの支援および世界のスポーツの発展のために再分配している」と主張して、この研究に反論した。

この主張はひどく誤解を招くものだ。まず初めに、国際スポーツ連盟、各国のオリンピック委員会、その他の組織ーそれらの多くは必ずしも倫理的に模範たりうるところとして知られているわけではないーを通じてマネーロンダリングがされており、選手の懐に届く前にそうした組織が自分たちの分け前を各々取っている。

さらに、(オリンピック情報サイトの)インサイド・ザ・ゲイムズに掲載されたディヴィッド・オーウェンによる2013年から16年までの期間についての分析から、IOCがうるさく訴える90%という再分配率の数字には疑わしいところがあるとわかる。オーウェンはカテゴリー分けについていくつかおもしろいことを暴いている。オリンピックの”文化と遺産”に使われた金額は運営管理費として計上されるのではなく、あたかも選手へのなんらかの給付であるかのように”オリンピック運動の振興”に分類されている。 オリンピックチャンネルとキャンセル保険の経費はなぜか、”アスリートの支援および世界のスポーツの発展のため”のIOCの再分配に計上されている。

IOCの財務関係の数字は基本的な透明性を欠いているため、オーウェンは日間にも脚注の奥底まで深く潜って調べなくてはならなかった。結論はこうだ。

『ときには解釈の問題であるということは承知のうえで、情を交えず分析しようとする者には、再分配率90%という数字を正当化するのは非常に困難だと認めざるを得ない。OBS[オリンピック放送サービス]、オリンピックチャンネル、そして”文化と遺産”を含めて計算する心構えができていたとしても、だ。』

偉大なスポーツ記者ウィリアム・ローデンは最近こう言っているが全く正しい。「IOCはおそらく地球上で最も汚職がひどい組織のひとつだ。」汚職はあからさまな賄賂のかたちをとることもあるが、ひっそりと、合法化された汚職といった形で行われることもまたある。アスリートたちは五輪を五輪たらしめる労働を提供していながら、いつもいつも、五輪パイのちっぽけな一切れしか与えられない、というように。

ありがたいことに、五輪アスリートたちは政治的な会話に割って入った。再びアスリートたちが前に出ている。グローバル・アスリートとライアソン大学によるこの重要な報告は、オリンピックが、一方には世界のトップアスリートたち、他方には特権的な立ち位置から計算づくの搾取を押し付けているスポーツ貴族ども、という2分割のスクリーンのうえで繰り広げられているということを明らかにした。

五輪アスリートたちが団体交渉で多くを得られる、というのは本当だ。アスリート労働者たちが団結して力を強めれば平等へと大きく前進することができるだろう。

Dave ZirinはThe Nationのスポーツエディター。

Jules Boykoffは、オレゴンのパシフィック大学、政治学教授。オリンピックに関する4冊の本を執筆。最新の著作はNOlympians: Inside the Fight Against Capitalist Mega-Sports in Los Angeles, Tokyo.

原文 https://www.thenation.com/article/society/ioc-finances-study/