JOC竹田会長の記者会見を受けての公開質問状

2019年1月19日

 2019年1月15日、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致に絡む贈賄疑惑でフランス当局が予審手続を開始されたことが、外国紙によって報道されたことを受けて、日本の
各マスコミが報道したことをきっかけとして記者会見が行われた。
 冒頭に疑惑の責任をとって辞職する旨の発言があるか注目していたが、それどころか質疑の時間は一切取らず竹田氏が自己の主張を約7分間に渡って主張する独演会であり、記者
会見の名に値しないものであった。
 竹田氏は記者会見の最後に以下の発言をした。
 「今後私は、現在調査中の本件について、フランス当局と全面的に協力することを通じて、自ら潔白を証明すべく全力を尽くしてまいります。以上であります。」
 竹田氏の贈賄疑惑は2020年東京オリンピック・パラリンピック招致に伴うものである以上、フランス当局に全面的に協力する前に、日本の市民に対して「自ら潔白を証明すべく全
力を尽く」すべきと私たちは考える。そこで以下の項目を質問する。
 フランス当局から訴追されているから回答拒否という姿勢を取るならば、内閣総理大臣安倍晋三氏の「汚染水問題はコントロール下にある」や元東京都知事猪瀬直樹氏の「2020東
京五輪は神宮の国立競技場を改築するがほとんど40年前の五輪施設をそのまま使うので世界一カネのかからない五輪なのです」などに代表されるウソやデタラメで2020年オリンピッ
ク・パラリンピックを東京に勝ち取った実績の上に、新たな実績が積み重ねられることになろう。
 質問項目
1 招致委員会とブラックタイディング社との契約が通常の承認手続に従って締結されたと主張するなら、招致委員会とブラックタイディングとの契約関係書類一式を決裁原義を含
めて公開せよ。
1-2招致委員会とブラックタイティング社との契約関係書類の原義に竹田氏本人の押印があるなら「私自身はブラックタイディング社との契約に関し、いかなる意思決定プロセス
にも関与しておりません」ということにはならないのが世間の常識である。そのように判断した具体的な証拠を示せ。
1-3「招致委員会からブラックタイディング社への支払いはコンサルティング業務に対する適切な対価であった」と主張するなら支払額およびその領収書、コンサルティング業務
に対する成果報告書等を全部公開せよ。また招致委員会とブラックタイディング社で行われたコンサルティング業務に関するメール等のやりとりをすべて公開せよ。
2 2016年に国会の各委員会によばれた際の参考人招致の文書及び、実務の詳細について国及び東京都職員から聴き取った内容をメモも含め全部公開せよ。
3 公益財団法人日本オリンピック委員会調査チームの2016年8月31日付『調査報告書』をマスコミのみに見せるのでなく、WEBサイトなどで一般市民が誰でも見られるように公開せ
よ。
3-2また調査チームの人選について疑義がある。調査チームは「外部の弁護士、公認会計士から構成されるJOC調査チーム」であるとされるが、オブザーバーとしてJOC常務理事の
肩書きで松丸喜一郎氏が、東京都総務局審理担当部長の肩書きで和久井孝太郎氏が参加している。チーム5人のうち、利害関係当事者が2人もオブザーバーとして加わっている理由は
何か。明らかにせよ。オブザーバーではないメンバーの立教大学教授・弁護士の早川吉尚氏、弁護士宍戸一樹氏、公認会計士久保惠一氏がJOCと利害関係当事者ではない具体的な証
拠を示せ。
3-3調査報告チームの会議議事録及び出席者一覧、関係者ヒアリングの対象者の公開及びヒアリング報告書を公開せよ。
4 2017年にブラジルオリンピック委員会会長が逮捕・起訴される状況になっている。2018年にフランス当局が予審手続を開始したのは、ブラジルの状況の進展を受けてのものと考
える。それにも関わらず2016年当時の調査報告書を元に潔白であると主張できるのはなぜか。具体的な資料も含め説明せよ。
                                                                                 
                                                 以上

付記:JOC竹田会長の記者会見を受けての公開質問状をJOC会長竹田恆和あて、組織委員会事務総長武藤敏郎あて、東京都知事小池百合子宛に送りました。