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東京オリンピック・パラリンピックの即時中止を求める要請書

2021年7月16日 東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会会長

橋本聖子様

7・16行動参加者一同

東京オリンピック・パラリンピックの即時中止を求める要請書

本日私たちは東京五輪開会式一週間前になっても未だに東京オリンピック・パラリンピックが中止されないことに対して抗議の意を表し、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会に対して即時中止を要請する。

東京都は7月12日から8月22日にかけて4度目の緊急事態宣言下に入った。

IOCバッハ会長は4月に「緊急事態宣言下でもオリンピック開催は可能だ」と発言し、私たちは自らの耳を疑ったが、それはコロナ状況の悪化による緊急事態宣言下でのオリンピック開催への布石だったのだ。

しかし私たちの日常生活や商業活動を大幅に制限する緊急事態宣言と五輪開催が共存することは原理的に不可能だ。人の活動を大幅に制限する緊急事態宣言と人の移動が活発化する五輪開催とは二律背反だからだ。世界各地から様々な種類のウイルスが侵入する危険とともに、アスリートや大会関係者の移動は確実に感染爆発のリスクを高める。

たとえ大会会場を無観客にしても、人の流れは増加する。公道中止の聖火リレーを見れば明らかだ。「無観客」が安心・安全の担保となるわけではない。安心・安全を確実に担保するには五輪中止しかありえないのだ。

本日IOCバッハ会長は広島を、コーツ副会長は長崎を訪問する。唯一の被爆国である日本の被爆地への訪問が「平和の祭典」であるオリンピックの象徴的意味を表すということを表現しようというものであろうが、まずは現在でも放射能汚染のために帰還困難区域を抱えてとても「復興した」とは言えない福島の現実を見るべきではないだろうか。「アンダーコントロール」という大嘘によって招致された東京五輪の欺瞞をさらに深めるバッハ・コーツの被爆地訪問を私たちは決して許さない。

多くの自治体が公道リレーを中止としたが、全く形式的としか言いようがないトーチキッスのようなセレブレーションが継続している。現在東京の各地を回っているが、こうした税金の無駄遣いとしかいいようがないイベントも即刻中止にするよう要請する。

コロナ禍によって図らずもオリンピック・パラリンピックとは、人の命を尊重するのではなく、「カネ」の論理で開催されるものであることが誰の目にも明白なものとなった。オリンピック・パラリンピックを開催することによってIOCの貴族たちや日本の電通やパソナなどのスポンサー企業を肥え太らせるのではなく、コロナ禍で苦しむ人々や医療現場に人も金も回すためには、一刻も早くオリンピック・パラリンピック中止を決定すべきだ。

今からでも遅くない。私たちは東京オリンピック・パラリンピックの即時中止を強く要請する。