東京 2020 パラリンピック1周年記念ベントに対する
反対声明

東京 2020 パラリンピック1周年記念ベントに対する反対声明
2021 年 8 月 24 日から 9 月 5 日にかけて、東京 2020 パラリンピックがオリンピックに引き続き強硬開催された。オリンピック・パラリンピックともに新型コロナのパンデミックにより1年延期・無観客での実施であったが、緊急事態宣言下でのオリンピック期間とその後の第 5 波感染急拡大を考えれば、中止するのが当然であった。感染拡大を憂慮する多くの声を踏みにじりながら開幕したパラリンピック。そして、多くの自治体が強行した学校連携観戦。これは、「人の命よりパラリンピック開催を優先した」ということにほかならず、まずはそのことに強く抗議する。
そして1年を経過した 2022 年 8 月 24 日に、東京都は「1年後の夏、感動と興奮をここで再び」と銘打って、東京 2020 パラリンピック1周年記念イベントを有明アリーナで開催しようとしている。オリンピック・パラリンピックを巡る巨額の金銭不正の一端であるスポンサーと電通のリベート問題について今ようやく捜査が始まり、高橋理事が逮捕された。有明アリーナはオリパラのために公費で建設されたものを、電通子会社に格安で委託した施設である。よりによってここで1周年イベントとは、まさに利益誘導こそがオリパラのレガシーではないか。東京都は「多様な人々が共に暮らし、互いに認め合う社会」が東京 2020 パラリンピックのレガシーであると言っているが、この1周年イベントの案内にすら、そのことは言及されていない。
オリンピック・パラリンピック組織委員会の最終報告は「誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会」がパラリンピックの目的であり、2020 大会はその目的を達成したと評価している。
その根拠に挙げているのは、「NHKが 500 時間を超える東京 2020 パラリンピックの放送を行い、これまで障がい者スポーツを見たことがない幅広い年齢層の人々がパラリンピック競技大会に触れ、様々な障がい者スポーツで多くのファンが育つきっかけとなった」や「従前ほとんどなかった障がい者やパラアスリートの企業広告への登場機会が東京 2020 大会の開催が近づくにつれて大幅に増え、パラアスリートを起用することで企業ブランド価値を高めるもの」というものだ。メディアに露出し、企業の広告塔としてパラアスリートが商業利用されることを「インクルーシブな社会の在り方の推進」と呼ぶのは、あまりに軽薄であり、アスリート以外の障がい者の切り捨てではないか。
私たちはオリンピックの持つ競争主義、勝利至上主義、商業主義を批判し、パラリンピックが近年オリンピックに同化しつつあることの問題性を指摘してきた。2020 パラリンピック大会において、競技種目の増加と障がい等級の差別化は一層進められ、「できる障がい者」と「できない障がい者」の分断は拡大した。これは障がい者の解放とは真逆の傾向であり、「誰もが相互に人格と個性を尊重し支え合い、人々の多様な在り方を相互に認め合える全員参加型の社会」というキャッチコピーは欺瞞にすぎない。
こうしたパラリンピックの矛盾や差別性を自覚することなく、自画自賛の「感動と興奮をここで再び」と 2020 パラリンピック大会の 1 周年を記念するイベントを東京都が行うことに強く抗議する。またこの 1 周年記念イベントを契機とした「パラスポーツムーブメント」の拡大についても反対する。
2021 年 8 月 24 日、2020 パラリンピック大会の開会式に抗議する私たちの仲間を警察は不当逮捕した。そして私たちの反対の声を封殺するために新国立競技場に近づくことを許さなかった。パラリンピックは、「人々の多様な在り方」を謳いながら、その内実は反対意見への弾圧と排除であり、多様性の否定にほかならない。私たちはパラリンピックの正体を糾弾し続ける。
世界のどこにもオリンピックも、パラリンピックもいらないと。
2022 年 8 月 24 日
オリンピック「災害」おことわり連絡会

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